2024年度第6回FUJITAブレインサイエンスセミナー:カリフォルニア大学 五十嵐 啓


「記憶を支える神経回路メカニズムと、アルツハイマー病におけるその障害様式」
私たちの記憶は、「いつ」の記憶(時間記憶)、「どこ」の記憶(場所記憶)および「何」の記憶(対象物記憶)の三つの情報の組み合わせで成り立つと考えられています。我々の研究室ではこれまで、脳の外側嗅内皮質(Lateral Entorhinal Cortex, LEC)の2/3層の細胞がどのように対象物記憶を支えているのかを明らかにしてきました(Igarashi et al., Nature 2014; Lee et al., Nature 2021)。外側嗅内皮質の2/3層の細胞は海馬に投射して情報を送る一方で、5/6層の細胞は記憶に必須な情報を海馬から受取り、前頭皮質に送りだす役割を担うことが解剖学的には知られていました。最近私たちの研究室では、マウスにニオイを嗅がせ、ニオイの種類に応じて砂糖水もしくはキニーネ水と連合することを学習させると、外側嗅内皮質の5/6層の細胞がニオイを「砂糖水グループ」と、「キニーネ水グループ」の二つに徐々に分類していくことを見出しました(Jun et al., Nature 2024)。この分類は、外側嗅内皮質の5/6層の細胞が投射している内側前頭前野(medial prefrontal cortex)の細胞にも見られ、二つの領域が相互依存的にこの分類を行っていることもわかりました。この結果は、脳の「分類マップ」が学習に必須な活動であること、この分類マップは外側嗅内皮質と内側前頭前野で形成されていることを示す新しい知見です。後半では、ドーパミンがアルツハイマー病の記憶失調にどのように関わっているのかについて、未発表のデータをもとに議論します。


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開催日 2024年10月23日
分類 研究
演者 カリフォルニア大学:五十嵐啓
会場
主催部門 精神・神経病態解明センター
担当者 真鍋 亜沙美
連絡先

2590

icbs@fujita-hu.ac.jp