2023年度第6回FUJITAブレインサイエンスセミナー
LINE-1はヒトゲノムの約17%を占め、自律的に転移できる唯一の因子である。
発達初期に新規転移が生じることが知られており、神経細胞の構造や機能の多様性に貢献するほか、統合失調症などの精神神経疾患に関与していると考えられている。また、近年LINE-1転写産物が加齢や炎症状態の惹起に関与する知見が注目されつつある。
我々は、ヒト成体脳で活性化されているLINE-1を同定するため、ヒト死後脳前頭葉試料から神経細胞・非神経細胞を分画し、全ゲノムバイサルファイトシークエンシングおよびhmCSeq解析を行い、完全長LINE-1のエピジェネティックな状態の検討を行った。
その結果、エピジェネティックな状態とLINE-1の分子進化的背景が関係していること明らかにし、成体脳神経系で活性化されているLINE-1の同定を行った。また、精神疾患患者死後脳においてDNAメチル化状態が異なるLINE-1を同定し、DNAメチル化変化が周辺の遺伝子・ゲノム構造によらずLINE-1を起点として生じていることを明らかにした。
本講演では合わせて、既存のRNA-seqデータからLINE-1発現量を網羅的に解析するMORE法の開発と適用例や、転移モニターマウスを利用した研究を紹介し、精神疾患との関連を議論したい。
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開催日 | 2023年9月29日 |
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分類 | 研究 |
演者 | 熊本大学大学院 生命科学研究部分子脳科学講座:岩本和也 |
会場 | |
主催部門 | 精神神経病態解明センター |
担当者 | 池田彩乃 |
連絡先 | 2590 icbs@fujita-hu.ac.jp |