2022年度 第2回安全管理研修会


演者:福井大学名誉教授 寺澤 秀一

1.ハイリスクな状況を認識する!
仕事の忙しさと勤務者数とのバランスが崩れる曜日、時間帯がハイリスクです。特に週末の救急受診患者、救急入院患者での医療事故を減らすために病院全体での対策が必要だと思います。
経験年数によらずその部署に新たに配置された医療人はハイリスクです。かれらを如何にサポートするかが重要です。「守られていない新人が、患者を守れるはずがないのです」。
ハイリスクな患者・家族ではキーパーソンとのコミュニケーション重要性を強調したいと思います。
     
2.知識・技術だけでなく姿勢(態度・言動)と良好な人間関係の構築
知識・技術を磨くだけでは医事紛争は防げません。医事紛争を防ぐには姿勢(態度・言動)と良好な人間関係を構築できるコミュニケーション力が必要です。姿勢では「向き合うこと」、良好な関係構築では「褒めること」の重要性を強調したいと思います。

3.謝罪の重要性(二通りの謝罪を区別すること)
「間違っていないのに謝罪するのは嫌だ」、「謝罪するとミスを認めたことになる」、「謝罪すると裁判で不利になる」という理由で当事者や責任者が謝罪しないことがあります。しかしそれは逆に医事紛争や裁判が増えることにつながると思います。
謝罪には二通りあります。一つ目は、意図せず不利益を与えたことや期待に応えられなかったことへの謝罪です。もし患者が亡くなったのならば遺族への悲しみに共感する謝罪です。二つ目は、過誤のために不利益を与えたことを認める謝罪です。
一つ目の謝罪は当事者や現場の責任者によってできるだけ早く行われるべきだと思います。しかし二つ目の謝罪は医療安全管理委員会等で検討されて病院として行われるべきものです。現場で安易に行うべきものではありません。



  
  

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日時 2023年2月13日 
備考 閲覧方法:ふじた学びばこ → 病院 → 医療の質・患者安全
主催部門 医療の質・安全対策部 安全管理室
担当者 井出 真理子
連絡先

2947

rankan@fujita-hu.ac.jp